「もらった動画ファイルをダブルクリックしたのに、再生できない」「DVDをパソコンで見ようとしたら、開き方がわからない」――動画まわりのこうした悩み、意外と多いですよね。
そんなときの定番の答えが、無料の動画再生ソフト「VLC Media Player(ブイエルシー メディアプレイヤー)」です。ほぼすべての動画・音楽形式をそのまま再生できるので、「開けないファイル」にほとんど出会わなくなります。もちろん広告なし・完全無料です。
この記事では、VLCのインストールから基本的な使い方、知っていると便利な機能まで、初心者向けにやさしく解説します。
VLC Media Playerとは?
| ソフト名 | VLC media player |
| 価格 | 完全無料(オープンソース) |
| 最新版 | 3.0.23(Windows版) |
| 対応OS | Windows・Mac・Linux・iPhone・Android |
| 日本語 | 対応(日本語化の作業は不要) |
| アカウント登録 | 不要 |
| 広告・追跡 | なし(公式が明言しています) |
VLCは、非営利団体のVideoLANが開発している無料のメディアプレイヤーです。オレンジ色の「三角コーン」のアイコンでおなじみで、世界中で使われ続けている超定番ソフトです。
- 完全無料・広告なし:寄付で運営されており、課金も広告も一切なし
- ほぼ全形式対応:MP4・AVI・MKV・MOV・FLV・音楽ファイルまで、そのまま再生できる
- コーデック不要:昔のように「再生に必要な部品」を別途入れる必要がない
- DVDも再生できる:Windows標準では再生できないDVDもVLCなら開ける
- マルチプラットフォーム:Windows・Mac・Linux・スマホにも対応
Windows標準の再生機能で足りないの?
Windowsにも「メディアプレーヤー」が標準で入っていて、MP4などよく使う形式は再生できます。ただ、こんな場面で困ることがあります。
| 場面 | Windows標準 | VLC |
|---|---|---|
| MP4など一般的な動画 | ○ 再生できる | ◎ 再生できる |
| MKV・FLVなど珍しい形式 | △ 開けないことがある | ◎ ほぼ開ける |
| DVDの再生 | × 標準では不可 | ◎ 再生できる |
| 再生速度の変更 | △ 限定的 | ◎ 細かく調整可 |
| 音ズレ・字幕の調整 | × | ◎ できる |
「開けない動画に出会ったらVLC」と覚えておけば、まず間違いありません。
インストールの手順
- 公式サイト「videolan.org」にアクセス
- 「VLCのダウンロード」ボタンをクリック(自動でWindows版が選ばれます)
- ダウンロードした
.exeファイルを実行 - 画面の指示に従って「次へ」を押していけばインストール完了(日本語対応)
基本の使い方:動画・音楽を再生する
使い方はとてもシンプルです。
- 方法①:動画ファイルをVLCのウィンドウにドラッグ&ドロップする
- 方法②:ファイルを右クリック →「プログラムから開く」→「VLC media player」
- 方法③:VLCのメニュー「メディア」→「ファイルを開く」から選ぶ
いつもVLCで開きたい場合は、ファイルを右クリック →「プログラムから開く」→「別のプログラムを選択」→ VLCを選んで「常にこのアプリを使って開く」にチェックを入れておくと便利です。
DVDを再生する
- DVDをパソコンのドライブに入れる
- VLCのメニュー「メディア」→「ディスクを開く」を選ぶ
- 「DVD」が選ばれていることを確認して「再生」
Windows標準では市販DVDの再生ができないため、「パソコンでDVDが見られない!」というときの解決策としてもVLCは定番です。
知っていると便利な機能5つ
| 機能 | やり方 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 再生速度の変更 | 「再生」→「速度」(または+/-キー) | 講義動画を倍速で見る・語学学習でゆっくり再生 |
| スクリーンショット | 「ビデオ」→「スナップショットを撮る」 | 動画の1コマを画像として保存 |
| 字幕ファイルの読み込み | 字幕ファイル(.srt)をドラッグ | 海外動画に字幕を付けて見る |
| 音ズレ調整 | 「ツール」→「トラックの同期化」 | 音と映像がズレている動画の修正 |
| リピート再生 | 画面下のループボタン | 音楽や語学教材の繰り返し再生 |
特に再生速度の変更は、セミナー動画や講義の視聴時間を半分にできるので、一度使うと手放せなくなります。また、再生中にスペースキーで一時停止/再開、Fキーで全画面切り替えができるのも覚えておくと便利です。
【定番の使い道】動画から音声だけを抜き出してMP3にする
「この動画、音だけあれば十分なんだけどな」——そう思ったこと、ありませんか。
セミナーの録画、自分で撮った演奏、インタビューの記録。音だけになれば、移動中でも聴けますし、ファイルもぐっと軽くなります。
じつはこれ、VLCだけでできます。変換ソフトを別に入れる必要はありません。
手順
- メニューの「メディア」→「変換 / 保存」を選びます(Ctrl + R でも開きます)
- 「追加」ボタンで、音を抜き出したい動画ファイルを選びます
- 下にある「変換 / 保存」ボタンを押します
- 「プロファイル」の欄で 「Audio – MP3」 を選びます
- 「参照」で保存先とファイル名を決めます。末尾に「.mp3」を必ず付けてください
- 「開始」を押すと変換が始まります
抜き出したMP3の音が小さい・ノイズが気になる場合は、Audacityで整えるときれいになります。音量をそろえる方法とノイズを除去する方法もあわせてどうぞ。
曲名やアーティスト名が空っぽで気持ち悪いときは、Mp3tagでまとめて入れられます。
同じところを繰り返し聞く「A→Bループ」
語学の教材で「この一文だけ、何回も聞きたい」。楽器の練習で「このフレーズだけ繰り返したい」。
そんなときに使えるのがA→Bループです。指定した2点のあいだだけを、延々と繰り返し再生してくれます。
ただしこの機能、最初は画面に出ていません。ここが知られていない理由だと思います。
まずボタンを出すところから
- メニューの「表示」→「高度なコントロール」にチェックを入れます
- 再生バーの上に、ボタンが数個ならんだ列が現れます
- その中に「A→B」と書かれたボタンがあります
使い方
- 繰り返したい部分の先頭まで再生し、「A→B」ボタンを1回押します(ここがA地点)
- 繰り返したい部分の終わりまで来たら、もう1回押します(ここがB地点)
- あとはAとBのあいだだけを自動で繰り返します
- 解除したいときはもう1回押します
再生速度を落とす機能(「再生」→「速度」)と組み合わせると、「聞き取れないところを、ゆっくり、何度も」ができます。語学学習では、これがいちばん効きます。
音が小さすぎる動画を、大きくして聞く
録音レベルが低い動画で、パソコンの音量を最大にしても聞こえないことがあります。
VLCの音量スライダーは125%まで上げられます。パソコン側の最大よりさらに大きくできるので、まずはここを試してください。
それでも足りないときは、上限そのものを引き上げられます。
- 「ツール」→「設定」を開きます
- 画面左下の「設定の表示」で「すべて」を選びます(ここが分かりにくいところです)
- 左の一覧から「インターフェース」→「メインインターフェース」→「Qt」と進みます
- 「表示される最大ボリューム」の数値を、200 などに変更します
- 保存してVLCを再起動します
再生中の一部分だけを、切り出して保存する
「1時間の動画のうち、この3分だけ残したい」。編集ソフトを立ち上げるほどでもない、というときに便利な方法です。
先ほどの「高度なコントロール」を出すと、赤い丸の録画ボタンも一緒に現れます。
- 切り出したい場所の少し手前から再生を始めます
- 始めたいところで赤い録画ボタンを押します
- 終わりたいところでもう1回押します
- その区間だけが、「ビデオ」フォルダに動画として保存されます
再生した時間ぶんだけ待つ必要があるのが弱点です。長い区間を切り出すなら、HandBrakeやKdenliveを使うほうが速く終わります。
ネット上の動画を、保存せずにそのまま再生する
VLCは、ネット上にある動画のURLを直接開いて再生できます。
- メニューの「メディア」→「ネットワークストリームを開く」(Ctrl + N)
- 欄にURLを貼り付けて「再生」を押します
社内の共有サーバーに置かれた動画や、ネットラジオを聞くときに使えます。ブラウザより軽く動くことも多いです。
覚えておくと快適なショートカット
| キー | できること |
|---|---|
| スペース | 再生/一時停止 |
| F | 全画面の切り替え(Escでも戻れます) |
| + / − | 再生速度を上げる/下げる |
| = | 再生速度を通常に戻す |
| ← / → | 10秒もどる/すすむ |
| Ctrl + ← / → | 1分もどる/すすむ |
| ↑ / ↓ | 音量の上げ下げ |
| M | ミュート(消音) |
| Ctrl + R | 変換 / 保存の画面を開く |
矢印キーでの10秒送りを覚えるだけでも、動画を見る速さが変わります。セミナー動画の「知っているところを飛ばす」がとても楽になります。
困ったときの対処
日本語の字幕が文字化けする
字幕ファイルを読み込んだら「???」や意味不明な記号だらけになった——日本語ではよく起きるトラブルです。
これは文字コードの読み違いが原因で、字幕ファイル自体は壊れていません。
- 「ツール」→「設定」を開きます
- 「字幕 / OSD」を選びます
- 「字幕の文字コード」を変更します。日本語なら Shift_JIS か UTF-8 のどちらかです
- 保存して、動画を開き直します
まずUTF-8、だめならShift_JIS。この2つを試せば、たいてい直ります。
映像は出るのに音が出ない
- まずMキーを押してみてください。ミュートになっているだけ、というのがいちばん多いです
- 「オーディオ」→「オーディオデバイス」で、音を出したい機器が選ばれているか確認します
- イヤホンを挿し直したあとは、選択が別の機器に戻っていることがあります
- 「オーディオ」→「オーディオトラック」が「無効」になっていないかも見てください
音と映像がズレる
再生中にJキー・Kキーを押すと、音のタイミングを50ミリ秒ずつ前後にずらせます。画面の上に「音声トラックの遅延」と数値が出るので、合うところまで押してください。
設定から細かく調整したい場合は「ツール」→「トラックの同期化」です。
開いた瞬間にVLCが落ちる・真っ黒になる
グラフィック関連の設定が合っていないことがあります。「ツール」→「設定」→「ビデオ」の「出力」を、別の方式に変えて試してみてください。
それでも直らないときは、いったんVLCを入れ直すのがいちばん早いです。設定ファイルごとリセットされます。
よくある質問(FAQ)
Q:本当に無料ですか?あやしくない?
A:VLCは非営利団体が寄付で運営するオープンソースソフトで、20年以上の実績がある世界的な定番です。公式サイトから入れるかぎり、安心して使えます。
Q:ブルーレイも再生できますか?
A:市販のブルーレイは著作権保護の仕組みがあるため、VLCでは基本的に再生できません。ブルーレイは対応した再生ソフト(多くは有料)が必要です。DVDまでならVLCでOKです。
Q:動画が重くてカクつくときは?
A:高画質すぎる動画は、古いPCだとカクつくことがあります。その場合はHandBrakeで動画を圧縮して軽くしてから再生するのも一つの手です。
まとめ
- 🎬 VLC=ほぼ全形式が開ける無料メディアプレイヤーの定番
- 💿 Windows標準では見られないDVDも再生できる
- ⚡ 再生速度の変更・スクショ・字幕・音ズレ調整など機能も豊富
- 🔒 非営利・広告なし・20年以上の実績で安心
「動画が開けない」トラブルは、VLCを入れておくだけでほぼ解決します。パソコンに最初に入れておきたい定番ソフトのひとつです。ぜひ試してみてください。


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