GIMPで背景を透明にする方法|白いままになる原因と、PNGで正しく保存するまで

GIMPで背景を透明にする方法 パソコン

フリマアプリの商品写真、ブログのアイキャッチ、資料に貼るロゴ——「この背景、消せたらいいのに」と思う場面はよくあります。

無料のGIMP(ギンプ)があれば、これができます。ただしGIMPの背景透過は、つまずきポイントがはっきり決まっています。そこさえ知っていれば、あとは難しくありません。

この記事でわかること
  • 透明にする前に、必ずやっておく操作が1つあること
  • 背景の種類別・3つのやり方(かんたんな順)
  • 保存の形式を間違えると、全部が台無しになる
  • 「透明にしたはずなのに白いまま」のときの原因
  • GIMPでは無理なケースと、そのときの代わり

先に結論:うまくいかない原因は、だいたい2つです

ネットで手順を調べて、そのとおりにやったのに透明にならない。その原因は、ほぼこの2つです。

⚠ この2つだけ、先に覚えてください
  • ①「アルファチャンネルの追加」をしていない。これをしていないと、背景を消しても白で塗りつぶされるだけです
  • ② JPGで保存してしまった。JPGという形式は、そもそも透明を記録できません。せっかく透明にしても、開いたら白背景に戻ります

逆に言うと、この2つさえ押さえれば、あとは選び方の話です。順番に見ていきます。

手順① 最初に「アルファチャンネル」を追加する

聞き慣れない言葉ですが、意味はかんたんです。「この画像は、透明を持てますよ」というスイッチだと思ってください。

写真(JPG)を開いた直後は、このスイッチが入っていません。だから消しても白くなるんです。

  1. GIMPで画像を開く
  2. メニューの「レイヤー」→「透明部分」→「アルファチャンネルの追加」をクリック
  3. これだけです。見た目は何も変わりません
すでに追加されているかの見分け方
  • 「アルファチャンネルの追加」がグレーになって押せないなら、もう入っています。そのまま進んでOKです
  • PNG画像を開いた場合は、最初から入っていることが多いです
  • 迷ったら、とりあえずここを開いてみる。押せたら押す、押せなければそのまま。それで大丈夫です
GIMPのレイヤーメニューでアルファチャンネルの追加がグレーになっている画面
「レイヤー」→「透明部分」→「アルファチャンネルの追加」。この画面のようにグレーで押せないなら、もう入っています

手順② 背景を選ぶ(背景の種類で方法が変わります)

ここが本番です。とはいえ、背景がどんな見た目かで、選ぶ道具が決まります。

背景のようす使う道具難易度
白い壁・単色の背景紙などほぼ1色ファジー選択かんたん
同じ色があちこちに散っている(すき間など)色域を選択かんたん
部屋・屋外などごちゃごちゃした背景前景抽出選択ふつう

方法A:ファジー選択(背景がほぼ1色のとき)

いわゆる「魔法の杖」です。クリックした場所と似た色をまとめて選んでくれます。

  1. メニューの「ツール」→「選択ツール」→「ファジー選択」を選ぶ(キーボードの U でも切り替わります)
  2. 消したい背景の部分をクリックする
  3. 点線が動く「アリの行列」で、選ばれた範囲が表示されます
  4. GIMPのファジー選択で背景が点線で選ばれている画面
    ファジー選択で背景をクリックしたところ。点線で囲まれた部分が「いま選ばれている場所」です。左の「しきい値」で範囲を調整できます
  5. Delete キーを押す
  6. 灰色と白の市松模様(チェック柄)になれば成功です。それが「透明」の印です
GIMPで背景を削除して市松模様になった画面
Deleteを押したあと。市松模様になっていれば、そこは透明です
きれいに取れないときの調整
  • 選ばれる範囲が狭すぎる/広すぎるときは、道具の設定にある「しきい値」を動かします。数字を大きくすると、より広い範囲の色をまとめて選びます
  • 取りこぼした場所を足したいときは、Shift キーを押しながらクリック。背景が影で微妙に色違いになっている場合は、これで足していきます
  • 選びすぎた場所を減らしたいときは、Ctrl キーを押しながらクリックです
  • やり直したいときは「選択」→「選択を解除」で、いったん全部リセットできます

方法B:色域を選択(同じ色が散らばっているとき)

たとえばマグカップの取っ手の内側のように、背景と同じ色なのに離れた場所があるとき。ファジー選択だと1回ずつクリックすることになります。

「色域を選択」なら、画像全体から同じ色をまとめて選びます。

  1. 「ツール」→「選択ツール」→「色域を選択」を選ぶ
  2. 背景の色をクリックする
  3. 画像じゅうの同じ色が、いっぺんに選ばれます
  4. Delete キーで消す

ただし被写体にも同じ色が含まれていると、そこまで一緒に消えます。白い商品を白い背景で撮った写真などは、この方法は向きません。

方法C:前景抽出選択(背景がごちゃごちゃなとき)

部屋で撮った写真や、屋外の写真。背景が1色じゃない場合はこれです。少し手間はかかりますが、慣れると速いです。

  1. 「ツール」→「選択ツール」→「前景抽出選択」を選ぶ
  2. 残したいもの(被写体)のまわりを、ざっくり囲みます。フリーハンドで大丈夫です。囲み終わったら Enter
  3. 囲んだ外側が青くなります。次に「残したい部分」の上を、ペンでなぞるように線を引きます
  4. GIMPが「ここが被写体だな」と判断して、境目を自動で見つけてくれます
  5. よければ Enter。被写体が選ばれた状態になります
  6. 「選択」→「選択範囲の反転」を選ぶと、選ばれる場所が背景側に入れ替わります
  7. Delete キーで背景を消す

6番の「反転」を忘れると、被写体のほうが消えます。ここだけ気をつけてください。

手順③ ★ここで失敗する人がいちばん多い:保存のしかた

ここまでの作業が、最後の1手で無駄になることがあります。

⚠ JPGで保存すると、透明が消えます
  • JPGは、透明という情報を持てない形式です。GIMPのせいではなく、JPGの仕様です
  • JPGで保存すると、透明だった部分は白(または黒)で塗りつぶされます
  • 必ず PNG で保存してください。これが唯一の正解です

そしてもう1つ。GIMPの「保存」は、写真として保存する操作ではありません。

メニューできるもの使う場面
ファイル → 名前を付けて保存XCF(GIMP専用の作業ファイル)あとで編集を続けたいとき
ファイル → 名前を付けてエクスポートPNG・JPGなど、普通の画像人に渡す・貼り付けるとき

透明のPNGが欲しいなら「名前を付けてエクスポート」です。ここはGIMPで初心者が一番戸惑うところなので、覚えてしまってください。

  1. 「ファイル」→「名前を付けてエクスポート」を選ぶ
  2. ファイル名の末尾を「.png」にする(例:shohin.png)。拡張子でGIMPが形式を判断します
  3. 「エクスポート」を押す
  4. 設定画面が出ますが、そのまま「エクスポート」で大丈夫です
GIMPの画像のエクスポート画面。ファイル名の末尾がpngになっている
「名前を付けてエクスポート」の画面。ファイル名の末尾が「.png」になっていることを確認してください。下に「拡張子で判別」とある通り、この末尾だけで形式が決まります

「透明にしたのに白いまま」のときの原因

ここが、いちばん問い合わせが多そうなところなので、症状別にまとめます。

症状原因直し方
Deleteを押したら白く塗られたアルファチャンネルが無いレイヤー → 透明部分 → アルファチャンネルの追加をしてからやり直す
GIMP上では市松模様なのに、保存したら白背景JPGで書き出したPNGでエクスポートし直す
「保存」したのに画像として開けないXCF形式で保存された「名前を付けてエクスポート」を使う
境目がギザギザになる選択範囲がくっきりしすぎ選択 → 境界をぼかすで1〜2ピクセルぼかす
被写体のフチに背景色が残る選択が少し内側選択 → 選択範囲の拡大を1ピクセルしてから消す
被写体まで消えてしまった選択範囲の反転を忘れた/しきい値が大きすぎCtrl + Zで戻してやり直す

正直な話:GIMPでもきれいにならない場合

すべてが自動できれいになるわけではありません。苦手なものもあります。

⚠ ここは手間がかかると思ってください
  • 髪の毛・毛皮・細い草。1本1本の境目を抜くのは、正直かなり大変です
  • ガラス・煙・透け感のあるもの。「半分透けている」を表現する必要があり、切り抜きとは別の技術が要ります
  • 背景と被写体が同じ色。白い皿を白いテーブルで撮った、など。これは撮り直したほうが早いです
いちばん確実なのは「撮り方」です
  • これから撮るなら、白い紙や布の上に置いて撮るだけで、あとの作業が劇的に楽になります
  • 被写体と背景の色を、はっきり変える。これだけでファジー選択が一発で決まります
  • 影を作らない。影の部分は背景と色が違うので、取りこぼしの原因になります
  • ソフトで頑張るより、撮り直したほうが速いことがよくあります

よくある質問

Q. 市松模様(チェック柄)も一緒に保存されませんか?

されません。あれは「ここは透明ですよ」とGIMPが見せているだけの模様です。実際の画像には入りません。安心してください。

Q. 透明にしたPNGを、Wordや Excel に貼れますか?

貼れます。背景が透けた状態で配置できるので、資料にロゴを載せるときなどに便利です。

Q. 一部だけ半透明にはできますか?

できます。消しゴムツールの「不透明度」を下げてなぞると、薄く消えます。ふんわりした境目を作りたいときに使えます。

Q. たくさんの画像を、まとめて透明にできますか?

背景の位置や色が画像ごとに違うため、まとめて自動で、というのは現実的ではありません。1枚ずつになります。

ただし「全部を同じサイズにそろえる」「まとめてPNGに変換する」といった作業なら、IrfanViewの一括リサイズが速いです。透過はGIMP、数をこなす作業はIrfanView、と役割を分けると楽になります。

まとめ

背景を透明にする流れ
  • ①「レイヤー → 透明部分 → アルファチャンネルの追加」。ここを飛ばすと白くなります
  • ② 背景を選ぶ。1色ならファジー選択、散らばっていれば色域を選択、ごちゃごちゃなら前景抽出選択
  • ③ Delete で消す。市松模様になれば成功
  • ④「ファイル → 名前を付けてエクスポート」で、PNGにする。JPGにすると全部やり直しです

やることは4つだけです。それでも最初は戸惑うと思いますが、2〜3枚もやれば手が覚えます。

フリマの出品写真がきれいになるだけで、見え方はずいぶん変わります。まずは1枚、試してみてください。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

それではまた🐧

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