Audacityで音量を上げる方法|増幅とノーマライズの違い・音割れ対策

Audacityで音量を上げる方法 パソコン

録音を聞き返したら「声が小さくて聞き取れない」。パソコンの音量を最大にしても物足りない——Audacityを使っていると、まずここでつまずきます。

この記事では、録音した音を大きくする方法を、いちばん簡単な順に説明します。似ている「増幅」と「ノーマライズ」の違い、そして音割れさせないための注意点までまとめました。

いそぐ人向け・結論
  • 1本の録音をとにかく大きくしたい → 全部選んで「ノーマライズ」。これだけでOK
  • 「あと少しだけ」上げたい → 「増幅」で数値を自分で決める
  • 配信・投稿用に整えたい → 「ラウドネスノーマライズ」を使う(後半で説明します)
  • どれもメニューは エフェクト →「音量と圧縮」 の中にあります

まず「どこが小さいのか」を見分ける

作業の前に、波形を見てください。Audacityの画面に出ている、山みたいなギザギザの形です。

波形の様子状態やること
細い線のように、ほとんど平べったい録音そのものが小さすぎ録り直しを検討(この記事の最後で説明します)
山はあるが、枠の半分にも届かないふつうに小さい状態ノーマライズか増幅で解決します
山が枠の上下にぶつかって平らになっているすでに音割れ気味大きくしてはいけません

真ん中のパターンなら、これから説明する方法で気持ちよく解決します。

いちばん簡単:ノーマライズで大きくする

迷ったらこれです。「いちばん大きい音」を基準に、ちょうどいい大きさまで自動で持ち上げてくれます。自分で数値を考えなくていいのが利点です。

  1. キーボードの Ctrl+A で全体を選ぶ
  2. メニューの「エフェクト」→「音量と圧縮」→「ノーマライズ」を選ぶ
  3. 数値はそのまま(-1 dB)でかまいません
  4. 「適用」を押す

波形が一回り大きくなれば成功です。再生して確かめてみてください。

なぜ「-1 dB」なの?
  • デジタルの音には「0 dB」という上限があり、ここを超えると音割れします
  • 公式マニュアルによると、ノーマライズの初期値は-1 dB。上限のほんの少し下で、余裕(ヘッドルーム)を残すためです
  • あとから別の効果をかけても割れにくくなるので、この初期値のままがおすすめです

「増幅」との違いは?

となりに「増幅」というよく似たメニューがあります。名前が違うだけに見えますが、考え方がはっきり違います

ノーマライズ増幅
やること目標の大きさに合わせる指定したぶんだけ持ち上げる
たとえるなら「身長170cmに合わせて」「10cm高くして」
複数トラックを選ぶと全部が同じ大きさにそろう全部が同じ量だけ上がる(音量差は残る)
向いている場面とにかく適正な大きさにしたい「あと3 dBだけ」など微調整したい

増幅を使うときの手順も同じです。Ctrl+Aで全体を選び、「エフェクト」→「音量と圧縮」→「増幅」。数値を入れて「適用」します。

ここで知っておくと便利なのが、増幅の画面を開くと、最初から「これ以上上げたら割れる」ぎりぎりの数値が入っていることです。公式マニュアルにも、そのまま「適用」を押せば音量を最大にできると書かれています。逆に言えば、その数値より大きくすると音割れします

やってしまいがちな失敗
  • 大きくならないからと、増幅を何度もかける…音が潰れてザラザラになります
  • 音割れしている録音を大きくする…割れはもっとひどくなります。割れた音は元に戻せません
  • やり直したいときは Ctrl+Z何度でも取り消せますので、気軽に試してください

配信・投稿に使うなら「ラウドネスノーマライズ」

stand.fmやYouTubeなどに出す音なら、もう一段いい方法があります。「ラウドネスノーマライズ」です(Audacity 3系までは「ラウドネス正規化」という名前でした)。

ふつうのノーマライズが「いちばん大きい一瞬」を基準にするのに対して、こちらは「人の耳に聞こえる平均的な大きさ」を基準にそろえます。ひと言だけ大きな声が入っていると、ノーマライズでは全体が小さいままになりがちですが、ラウドネスノーマライズならそうなりません。

  1. Ctrl+Aで全体を選ぶ
  2. エフェクト」→「音量と圧縮」→「ラウドネスノーマライズ
  3. 音声配信なら -16 LUFS あたりを目安に

「声の大きいところと小さいところの差」も整えたい場合は、コンプレッサーやリミッターと組み合わせます。その手順は別の記事にまとめました。→ Audacityで音量をそろえる方法|小さい声・大きい声を一発で整える手順

そもそも録音が小さすぎるときは

波形がほとんど一本線のときは、大きくしても「サー」というノイズまで一緒に大きくなるので、きれいになりません。この場合は録り直しが近道です。

  • マイクとの距離を近づける…こぶし1つ分くらいがめやすです
  • Windowsの入力音量を上げる…「設定」→「システム」→「サウンド」→入力のマイクを選び、入力音量のつまみを上げます
  • 録音前にメーターで確かめる…声を出したときに、メーターが中ほどまで元気に動いていればOKです
  • 正しいマイクが選ばれているか確認する…ヘッドセットをつないでいるのに内蔵マイクで録れている、というのはよくある話です

録音のやり方そのものに不安がある方は、こちらもどうぞ。→ Audacityで“録音→MP3書き出し”まで|初心者向け最短手順

よくある質問

Q. メニューに「ノーマライズ」が見当たりません

Audacity 4.0で、エフェクトの置き場所と名前が少し変わりました。「エフェクト」→「音量と圧縮」の中を探してみてください。それでも見つからないものは「レガシー」という分類に入っています。変更点はこちらにまとめています。→ Audacity 4.0で何が変わった?

Q. 一部分だけ大きくできますか?

できます。Ctrl+Aで全体を選ぶかわりに、波形の上をドラッグして大きくしたい部分だけを選んでから、同じ操作をしてください。

Q. 音を小さくすることもできますか?

できます。「増幅」の数値にマイナスの値(例:-3)を入れれば、そのぶん小さくなります。

Q. 保存したら、また小さくなってしまいました

Audacityの「保存」は作業用のファイル(プロジェクト)を残すだけで、音のファイルにはなりません。MP3などにするには「書き出し」を使います。ここは本当に間違えやすいところです。

まとめ

この記事のまとめ
  • まずは全体を選んでノーマライズ。数値は初期値のままでOK
  • 「増幅」は自分で量を決めたいときに。初期値より上げると音割れします
  • 配信用に整えるならラウドネスノーマライズ(目安は-16 LUFS)
  • 波形が一本線なら、大きくするより録り直しが早いです
  • 失敗しても Ctrl+Z で戻せます。安心して試してください

音が聞き取りやすくなるだけで、録音はぐっと聞きやすくなります。ぜひ試してみてください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。それではまた🐧

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