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Audacityで音声配信の音を仕上げる全手順|録音からMP3書き出しまでの通しワークフロー【スタエフ・ポッドキャスト対応・2026年版】

Audacityで音声配信の音を仕上げる全手順 パソコン
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ノイズの消し方は調べた。音量のそろえ方も分かった。でもいざ収録した音声を前にすると、「で、結局どれを、どの順番でやればいいんだっけ?」と手が止まってしまう——音声配信を続けていると、必ず一度はぶつかる壁です。

実は音声の仕上がりは、一つひとつのテクニックよりも「作業の順番」で大きく変わります。同じ機能を使っても、順番を間違えるだけで、消したはずのノイズが復活したり、声がこもって聞こえたりするのです。

この記事では、収録した音声を配信できる状態に仕上げるまでの流れを、録音ボタンを押す前の準備から、MP3で書き出すところまで一本道でまとめました。毎回の作業を1クリックにする時短ワザも最後に紹介します。

この記事でわかること
  • 収録から書き出しまでの全体の流れと、所要時間の目安
  • 録音ボタンを押す前にやっておくと後がラクになる3つの準備
  • ノイズ除去と音量調整を「この順番」でやるべき理由
  • スタエフ・ポッドキャスト向けの具体的な設定値(-16 LUFSなど)
  • 毎回の仕上げ作業を1クリックで終わらせる「マクロ」の作り方
  • 時間がない日のための「最短ルート」

音声の仕上がりは「作業の順番」で決まる

音声編集には「正しい順番」があります。理由はシンプルで、前の工程の結果が、次の工程の効き方を変えてしまうからです。

いちばん分かりやすいのが、ノイズ除去と音量調整の関係です。先に音量を上げてしまうと、ノイズも一緒に大きくなります。しかもノイズの性質そのものが変わってしまうため、あとからノイズ除去をかけても、きれいに取り切れません。逆に、ノイズを消してから音量を上げれば、澄んだ音のまま大きくできます。

覚えておきたい大原則
  • 「引き算」を先に、「足し算」を後に。いらない音を取り除く作業(カット・ノイズ除去)を先に済ませてから、音を大きく整える作業(音量調整)に進みます。この順番さえ守れば、大きな失敗はまず起きません。

収録から配信までの全体像(所要時間つき)

まずは全体の地図を頭に入れておきましょう。10分程度の音声であれば、慣れれば編集全体で10分ほどで終わります。

ステップやること目安時間詳しい解説
準備マイクの確認・冒頭の無音づくり30秒この記事で解説
STEP 1録音する収録時間による録音→MP3の最短手順
STEP 2いらない部分をカットする3〜5分この記事で解説
STEP 3ノイズを取り除く1分ノイズ除去の手順
STEP 4音量を整える(3段階)1分音量をそろえる方法
STEP 5BGMを重ねる(任意)3分複数トラックの編集
STEP 6MP3で書き出す1分この記事で解説

なお、この記事はAudacityがすでに使える状態であることを前提にしています。まだインストールしていない方は、先にAudacityのインストール・日本語化・初期設定を済ませてください。本記事はバージョン3.7系の画面をもとに解説しています(2026年8月時点の最新版は3.7.8です)。

【準備編】録音ボタンを押す前の3つの習慣

編集を早く終わらせるコツは、実は編集を始める前にあります。この3つを習慣にするだけで、あとの作業が驚くほどラクになります。

① マイクが正しく選ばれているか確認する

Audacityの画面上部にあるマイク欄が、実際に使うマイクになっているか確認します。パソコンにイヤホンやWebカメラをつないだ日は、勝手に別のマイクへ切り替わっていることがよくあります。マイクに向かって声を出し、メーターが動けばOKです。

番外:録音の音質を上げたい人へ(おすすめのUSBマイク)

パソコン内蔵マイクでも録音はできますが、こもった音になりがちです。数千円のUSBマイクに変えるだけで聞き取りやすさがはっきり変わります。価格帯別に3つ紹介します。

タイプ商品価格帯特徴
お試し・エントリーMillSO ピンマイク(USB直挿し)1,700円前後まず配信・録音を試したい人向けの小型マイク
定番人気MAONO PD100X(USB/XLR両対応)7,000円前後レビュー2,000件超のポッドキャスト向けダイナミックマイク
本格派オーディオテクニカ AT2020USB-X2万円前後配信・宅録の定番コンデンサーマイク

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② 録音を始めたら、まず2秒だけ黙る

これがこの記事でいちばんお伝えしたい習慣です。録音ボタンを押したら、すぐ話し始めずに2秒ほど黙ってください。

Audacityのノイズ除去は、「あなたの部屋のノイズがどんな音か」を先に学習させてから使う仕組みになっています。その学習のためには、声が入っていない、ノイズだけの部分が必要なのです。この2秒があるかないかで、ノイズ除去の精度がまるで変わります。

「2秒の無音」を録り忘れた場合は
  • 話の切れ目や、息を吸っている間などの「声が入っていない一番静かな部分」を短く選んでも、ある程度は代用できます。ただし精度は落ちるので、次回からは冒頭の2秒を習慣にするのがおすすめです。

③ 声だけの収録なら「モノラル」で録る

ひとりでしゃべるだけの配信なら、左右に音を振り分ける必要はありません。モノラルで録っておくとファイルサイズが約半分になり、アップロードも速くなります。すでにステレオで録ってしまった場合は、ステレオをモノラルに変換する方法であとから変換できます。

【カット編】STEP 2:いらない部分を削る

録音が終わったら、まずは不要な部分を削ります。ここを先にやるのが大事です。あとの工程で使う効果は音声全体にかかるため、消す予定の部分にまで処理をかけるのは時間のムダになります。

  • 言い間違えて言い直した部分
  • 長すぎる沈黙、「えーっと」が続いている部分
  • 咳ばらい、水を飲む音、宅配便のチャイム
  • 本題に入るまでの長い前置き

削り方は簡単で、波形の上で消したい範囲をドラッグして選び、キーボードのDeleteキーを押すだけです。間違えて消してもCtrl+Zで何度でも元に戻せるので、思い切って削って大丈夫です。

注意:冒頭の「2秒の無音」はまだ消さないで
  • 「無音だからいらない」と思って最初に消してしまうと、次のノイズ除去でノイズを学習させられなくなります。冒頭の無音を削るのは、ノイズ除去が終わったいちばん最後です。順番を守ってください。

【仕上げ編】STEP 3〜4:ノイズを消してから音量を整える

STEP 3:ノイズを取り除く

ノイズ除去は2段階です。まず冒頭の無音部分だけを選んで「エフェクト」→「ノイズ除去と修復」→「ノイズリダクション」を開き、「ノイズプロファイルを取得」をクリックします(画面がいったん閉じます)。次にCtrl+Aで全体を選び、もう一度同じメニューを開いて「OK」を押します。

設定はノイズ低減量12dB・感度6から試すのがおすすめです。強くかけすぎると声が水中にいるような不自然な音になるので、「ノイズが気にならなくなる最小限」で止めるのがコツです。詳しい手順や設定値の調整はAudacityでノイズを除去する方法で解説しています。

STEP 4:音量を3段階で整える

ノイズが取れたら、音量です。Ctrl+Aで全体を選んでから、「エフェクト」→「音量と圧縮」の中にある3つをこの順番でかけます。

順番使うもの設定の目安役割
コンプレッサーしきい値 -12dB/圧縮比 4:1大声と小声の差を縮めて聞きやすくする
ラウドネス正規化-16 LUFS配信に適した音量に合わせる(最重要)
リミッターしきい値 -3dB笑い声などの急な大音量で音が割れるのを防ぐ

-16 LUFSという数字は、Apple Podcastsが推奨している音量の基準です。スタエフをはじめ多くの音声配信サービスでも自然に聞こえるので、迷ったらこの値で問題ありません。各設定の意味や調整のコツはAudacityで音量をそろえる方法で詳しく解説しています。

補足:厳密にはモノラルとステレオで基準が違います
  • Apple Podcastsが示している基準は、正確にはステレオで-16 LUFS、モノラルでは-19 LUFSです。この記事では声だけの配信にモノラルをすすめているので、厳密に合わせるなら-19 LUFSということになります。
  • ただ実際のところ、-16 LUFSにしておいて「音が大きすぎて困った」という場面はほとんどありません。まずは-16で揃えておき、「他の配信より自分の声が大きい気がする」と感じたときに-19を試す、という進め方で十分です。

ここまで終わったら、冒頭に残しておいた2秒の無音を削ります。これで音声本体は完成です。

時間がない日は「これだけ」でOK
  • 3つ全部やる時間がない日は、②のラウドネス正規化(-16 LUFS)だけかけてください。聞き手にとっての改善幅がいちばん大きいのはこれです。「毎回完璧に仕上げる」より「毎回出す」ほうが、配信では何倍も大事です。

【BGM編】STEP 5:BGMを重ねる(必要な人だけ)

オープニングにBGMを入れたい、という場合はここで作業します。声だけの配信なら、この工程はまるごと飛ばして次に進んで構いません。

大事なのはタイミングです。BGMは必ず、声の仕上げ(ノイズ除去と音量調整)が全部終わってから重ねてください。先にBGMを入れてしまうと、ノイズ除去がBGMまで巻き込んで音を変えてしまいますし、音量調整も「声とBGMを合わせた音」に対してかかるため、狙った音量になりません。

手順は、声のトラックの下にBGM用のトラックを追加して音楽ファイルを読み込み、BGM側の音量だけを下げてバランスを取る、という流れになります。具体的な操作はAudacityで複数トラックを編集する方法で図解しています。

【書き出し編】STEP 6:MP3で保存する

Audacityでは「保存」ではなく「書き出し(エクスポート)」を使います。「ファイル」→「オーディオをエクスポート」→「コンピュータにエクスポート」から、形式にMP3を選んで保存してください。

用途形式ビットレートチャンネル
音声配信(スタエフ・ポッドキャスト)MP3128kbpsモノラル
BGMや効果音を重ねた作品MP3192kbpsステレオ
AIで文字起こしする音源MP3128kbpsモノラル
あとで再編集する元データWAV収録時のまま

声だけの配信なら128kbpsのモノラルで十分です。数字を上げてもファイルが重くなるだけで、聞き手が感じる音質はほとんど変わりません。

毎回の仕上げを1クリックにする「マクロ」機能

ここからが、配信を続ける人にとっていちばん効く時短ワザです。Audacityには一連の作業を記録して、次回から1クリックで再現できる「マクロ」という機能があります。

毎回「コンプレッサー→ラウドネス正規化→リミッター」と3回メニューをたどって設定を入力していた作業が、ボタン1つで終わります。設定値も記録されるので、「前回いくつにしたっけ?」と悩むこともなくなり、配信ごとの音量のブレもなくなります。

  1. メニューの「ツール」→「マクロ」を開きます。
  2. 「新規」をクリックし、分かりやすい名前をつけます(例:「配信仕上げ」)。
  3. 「挿入」をクリックし、一覧から「コンプレッサー」を選んで設定値を入力します。
  4. 同じように「ラウドネス正規化」「リミッター」を順番に追加します。
  5. 「保存」してマクロ画面を閉じます。
  6. 次回からは音声を開いてCtrl+Aで全体を選び、「ツール」→「マクロ」から作ったマクロを選んで実行するだけです。
マクロを使うときの注意点
  • ノイズ除去はマクロに入れないでください。ノイズ除去は「その日の部屋のノイズ」を学習させてから使う機能なので、毎回手動で行う必要があります。マクロに入れるのは音量まわりの3つだけにしましょう。
  • マクロを実行する前に、必ずCtrl+Aで音声全体を選んでおいてください。選択していないと、意図しない範囲にだけ効果がかかることがあります。
  • 初めて作ったマクロは、大事な音源でいきなり使わず、テスト用の短い録音で一度試してから本番に使うと安心です。

よくある質問

Q. ノイズ除去より先にカットしてもいいのですか?

A. はい、カットが先で問題ありません。むしろ推奨です。消す予定の部分にまでノイズ除去や音量調整をかけるのは時間のムダになります。ただし冒頭の無音部分だけは、ノイズ除去が終わるまで残しておいてください。

Q. BGMはどのタイミングで入れるのがいいですか?

A. 声の仕上げ(ノイズ除去と音量調整)がすべて終わったあとです。先にBGMを重ねてしまうと、ノイズ除去がBGMまで巻き込んで音を変えてしまいますし、音量調整も声とBGMの合計に対してかかるため、狙った音量になりません。手順はAudacityで複数トラックを編集する方法をご覧ください。

Q. 効果をかけたら音が不自然になってしまいました

A. Ctrl+Zを押せば、何度でも元に戻せます。原因の多くは「かけすぎ」です。ノイズ除去なら低減量を下げる、コンプレッサーなら圧縮比を下げる、というように数値を弱める方向で調整してみてください。効果をかける前に「プレビュー」ボタンで確認する習慣をつけると失敗が減ります。

Q. もっと音を良くしたいのですが、次に何をすればいいですか?

A. まずはマイクを口に近づけることが、どんな編集よりも効果があります。編集で足りない部分を補いたくなったら、Audacityおすすめプラグイン10選でAIノイズ除去などの拡張機能を試してみてください。ただし、まずは基本の流れを毎回同じようにこなせるようになるほうが先です。

Q. Audacityは本当に無料で使い続けられますか?

A. はい。Audacityはオープンソースのソフトで、機能制限も試用期間もなく、すべての機能を無料で使えます。商用利用も可能なので、収益化している配信でも問題ありません。

まとめ

音声配信の仕上げは、覚えることが多いように見えて、実際にやることは「カット → ノイズ除去 → 音量調整 → 書き出し」の4つだけです。この順番さえ守れば、あとは同じ作業の繰り返しになります。

そして繰り返しになるからこそ、マクロ機能が効いてきます。最初に一度だけ設定しておけば、2回目以降の仕上げは1クリック。編集にかける時間が減るほど、話す内容を考える時間が増えます。配信を長く続けるうえで、これがいちばん大きな効果かもしれません。

今日やること
  • 次の収録では、録音ボタンを押したあと2秒だけ黙ってから話し始める
  • 編集は「カット → ノイズ除去 → 音量調整 → 書き出し」の順で進める
  • 音量調整はまずラウドネス正規化(-16 LUFS)だけでもかけてみる
  • 慣れてきたら「ツール」→「マクロ」で仕上げ作業を1クリックにまとめる

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