結論から言うと、Bitwarden(ビットワーデン)は無料のままで十分に使えます。公式の説明でも、保存できるパスワードの数に制限はなく、パソコンでもスマホでも同じものが使えるとされています。有料にしないと困る場面は、ふつうの使い方ならほとんどありません。
私自身もふだん使っていて、いまのところ不満はありません。この記事では、アカウントを作るところから、パスワードを保存する・自動で入力する・強いパスワードを作るまでを、順番どおりにやれば終わる形でまとめました。
Bitwardenってどんなソフト?
パスワードを1か所にまとめてしまっておき、必要なときに自動で入力してくれるソフトです。こういうソフトを「パスワードマネージャー」と呼びます。
使う人が覚えるのは「マスターパスワード」というカギになる1つだけ。あとはBitwardenが預かってくれます。Windows・Mac・Linuxのパソコン、iPhone・Androidのスマホ、そしてChromeやEdgeなどのブラウザ拡張機能と、ひととおりそろっています。
【結論】無料でどこまでできる?
いちばん気になるところだと思うので、先に整理します。公式ヘルプに書かれている内容をもとにした一覧です。
| できること | 無料 | 有料(Premium) |
|---|---|---|
| パスワード・メモ・カード情報の保存 | 数に制限なし | 同じ |
| 使える端末の数 | 制限なし | 同じ |
| 強いパスワードを作る機能 | 使える | 同じ |
| 2段階認証(メール・認証アプリ・パスキー) | 使える | 同じ |
| YubiKeyなどの機器を使った2段階認証 | — | 使える |
| ワンタイムパスワード(TOTP)の保管 | — | 使える |
| ファイルの添付・緊急アクセス | — | 使える |
つまり「パスワードを安全にしまって、自動で入れる」という本体の部分は、全部無料ということです。有料版は、そこから先の「もっと厳重にしたい」「家族に引き継ぎたい」という人向けの機能が中心になっています。
使い始める3ステップ
①アカウントを作る
- bitwarden.com を開き、無料で始める手続きに進む
- メールアドレスを入力する
- マスターパスワードを決める(あとで説明しますが、ここが最重要です)
- ヒントを設定しておく(忘れたときにメールで受け取れます)
②ブラウザの拡張機能を入れる
ここを入れないと自動入力が使えないので、実質必須です。各ブラウザのストアから入れるか、公式の ダウンロードページ から進みます。
入れたら、ピン留めをしておきましょう。Chromeなら、アドレスバーの右にあるパズルのアイコンを押して、Bitwardenの横にあるピンのマークをクリックするだけです。毎回探さずにすみます。
③スマホアプリを入れる
App StoreまたはGoogle Playから入れて、同じアカウントでログインします。これでパソコンで保存したパスワードがスマホでも使えます。無料プランでも端末の数に制限はありません。
目的別の使い方
パスワードを保存する
いちばんラクなのは、いつもどおりサイトにログインすることです。拡張機能が「保存しますか?」と聞いてくれるので、そこで「保存」を押します。手で登録することも、あとから編集することもできます。
3つの保存方法(自動保存・手動登録・ブラウザからまとめて取り込み)は、別の記事で詳しく説明しています。→ Bitwardenにパスワードを保存する方法
保存したパスワードを自動で入力する
ログイン画面を開いて、拡張機能のアイコンを押し、出てきた項目をクリックすればユーザー名とパスワードが入ります。
慣れてきたら、ショートカットのほうが速いです。公式ヘルプによると、初期設定では Ctrl+Shift+L(Macは Cmd+Shift+L)で、そのページに合う項目を入力できます。
強いパスワードを作る
パスワードマネージャーを使ういちばんの利点がここです。覚える必要がないので、意味のない長い文字列を使えます。
| 使う場所 | たどり方 |
|---|---|
| ウェブ版(ブラウザで開く画面) | 「ツール」→「ジェネレーター」 |
| ブラウザ拡張機能 | 「ジェネレーター」のタブ |
| 新規登録・編集の画面 | パスワード欄の「生成」ボタン |
文字数や、記号・数字を混ぜるかどうかを選べます。覚える必要がないので、長めにしておくのがおすすめです。
ちなみに、作ったパスワードの履歴は「ジェネレーター履歴」から見られますが、ログアウトすると消えます。作ったら、その場で保存してしまいましょう。
「アカウントを作る前に、生成機能だけ試したい」という方は、公式サイトのパスワード生成ツールが登録なしで使えます。
ブラウザに保存済みのパスワードを引っ越す
ChromeやEdgeに「パスワードを保存しますか?」で貯めてきたものは、まとめて移せます。公式ヘルプの手順はこうです。
- ブラウザの設定でパスワードの画面を開く(Chromeは
chrome://password-manager/settings、Edgeはedge://wallet/passwords) - 「パスワードをエクスポート」からファイルを書き出す(パソコンのパスワードを求められることがあります)
- Bitwardenのウェブ版で、そのファイルを取り込む
LastPassや1Passwordなど、ほかのパスワード管理ソフトからの引っ越しにも対応しています。
スマホで使う
スマホでは、アプリを入れてログインしたあと、端末側で「自動入力にBitwardenを使う」と設定します。設定を終えると、アプリやブラウザのログイン画面でBitwardenが候補を出してくれるようになります。
Androidを使っている方への注意も、公式ヘルプに書かれています。信頼できる場所(Google Playなど)から入れたアプリ以外には、自動入力を使わないこと。悪意のあるアプリが、有名アプリになりすます可能性があるためです。
最初にやっておきたい設定3つ
①2段階認証をオンにする
マスターパスワードが漏れても、もう1つの確認があれば守られます。メール・認証アプリ・パスキー(FIDO2のセキュリティキー)は、無料プランでも使えます。
②自動でロックされる時間を決める
しばらく操作しないとき、金庫の扉を自動で閉める設定です。ウェブ版は「設定」→「セキュリティ」、拡張機能とスマホアプリは「設定」→「アカウントセキュリティ」から変えられます。共用のパソコンなら短め、自宅の自分専用機なら長めでもよいでしょう。
③コピーした内容が消えるまでの時間を確認する
コピーしたパスワードが、いつまでも貼り付けできる状態だと危ないですよね。Bitwardenには、コピーした内容を一定時間で消す設定があります。初期設定は5分です。
つまずきやすいポイント
新しい端末でログインしたら、コードを求められた
これは不具合ではありません。2段階認証を設定していない人が、これまで使ったことのない端末からログインしたときに、確認のためのコードが登録メールアドレスに送られる、というしくみです(2025年3月から)。届いたコードを入れれば進めます。
迷惑メールに振り分けられていないかだけ、気をつけてください。
ログインできなくなるのが不安
不安なうちは、よく使うサイトを数件だけBitwardenに入れて、しばらく使ってみてください。慣れてから全部移せば十分です。移したあとも、しばらくはブラウザ側のパスワードを残しておくと安心です。
1Passwordとどちらがいい?
パスワード管理の話になると、よく名前が挙がるのが1Passwordです。実際、周りでもこちらを勧める人は多いです。
大きな違いはお金のかけ方です。1Passwordは月々いくらという形の有料サービスで(14日間のお試しはあります)、ずっと無料で使い続けるプランはありません。一方のBitwardenは、無料のまま使い続けられます。
どちらを選んでも、「同じパスワードの使い回しをやめる」という効果はしっかり得られます。お金を払ってでも使い心地やサポートを重視したい方は1Password、まず無料で始めて続けられそうか試したい方はBitwarden、という選び方でよいと思います。
ちなみに、以前は私もBitwardenを使っていました。いまは有料の1Passwordに乗り換えています(そのときの話はBitwardenから1Passwordへ移行する方法にまとめました)。
よくある質問
Q. 本当に無料ですか?
はい。公式の説明でも、パスワードマネージャーの中心となる機能は無料で使えるとされています。保存できる数にも、使う端末の数にも制限はありません。
Q. パスワードを預けて大丈夫ですか?
気持ちは分かります。ただ、預けないかわりに同じパスワードを使い回すほうが、実際には危ない場面が多いです。どこか1つのサイトから漏れると、ほかのサイトまで一緒に破られてしまうからです。
Q. マスターパスワードを忘れたらどうなりますか?
公式ヘルプのとおり、Bitwarden側で復元することはできません。ヒントを設定しておく、紙に書いて安全な場所に保管しておく、という備えをしておきましょう。
Q. スマホだけでも使えますか?
使えます。ただ、最初の登録や、ブラウザからの引っ越しはパソコンのほうが早く終わります。
まとめ
パスワードを覚えなくてよくなると、毎日のログインがずいぶん気楽になります。まずは、よく使うサイトを1つだけ登録してみてください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。それではまた🐧


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