ChatGPTでExcelの数式・マクロを作る方法|関数名を知らなくても頼めます【初心者向け・2026年版】

ChatGPTにやりたいことを日本語で伝えてExcelの数式SUMIFSを作ってもらう パソコン

「この集計、関数でできるはずなのにやり方が分からない」「マクロを組みたいけどVBAなんて書けない」——そんな経験はありませんか。

エクセルは便利な反面、関数やプログラムの組み方が分からないと、結局すべて手作業になります。時間も気力も、じわじわ削られていきます。

その悩み、ChatGPTに「やりたいこと」を日本語で伝えるだけで、かなりの部分が解決します。関数名を覚える必要はありません。「A列に担当者、B列に売上が入っていて、担当者ごとの合計を出したい」と言えば、数式が返ってきます。

この記事では、具体的なプロンプト例と、やってはいけないことをあわせて紹介します。とくに「会社のデータを貼らない」の話は、始める前に必ず読んでください。

この記事でわかること
  • 関数名を知らなくても、数式を作ってもらう頼み方
  • そのままコピーして使えるプロンプトの型
  • 集計・データ参照・マクロ・数式の解読、4つの実践例
  • 会社のデータを貼ってはいけない理由と、その回避方法
  • マクロを試すときの「戻せない」落とし穴

なぜエクセルの関数は「難しい」と感じるのか

関数が難しく感じる本当の理由は、構文を覚えていないことではありません。

本当の問題は「自分がやりたいことを、どの関数の組み合わせで実現すればいいか分からない」ことです。VLOOKUPもSUMIFSもIFも、名前は知っている。でも「条件に合う売上だけ合計して、一覧表に自動反映する」という実務の要件に落とし込めない。ここでつまずきます。

VBA(マクロ)はもっと手前で止まります。「変数」「ループ」「オブジェクト」という言葉そのものが壁になり、ネットで見つけたコードをコピーしても自分のファイルには当てはまりません。

ChatGPTが効くのは、まさにこの「翻訳」の部分です。やりたいことを日本語で言えば、関数やコードに翻訳してくれる。覚える必要がなくなるわけです。

⚠️ 始める前に:会社のデータをそのまま貼らないでください

ここを飛ばして便利さだけ紹介するのは無責任なので、先に書きます。

エクセルの実務データには、取引先名・個人名・売上・給与・連絡先が入っていることがよくあります。それをそのままChatGPTに貼り付けるのは、社外のサービスに会社の情報を送っているのと同じです。会社によっては規則で禁止されています。

貼らずに済ませる方法
  • 中身ではなく「構造」だけ伝える。「A列に担当者名、B列に金額」で十分です
  • 例を出したいときは架空の名前に置き換える(「山田」「A社」「1000」など)
  • 数式やVBAコードを作るのに、実データは1件も要りません
  • 勤務先にAIの利用ルールがあるなら、まずそちらを確認してください

逆に言えば、構造だけ伝えれば実データを出さずに全部できます。この記事で紹介する例も、すべて中身を伏せたまま成立します。

ChatGPTに頼めること

やりたいこと頼める内容
条件をつけて集計したいSUMIFS・COUNTIFSなどの数式
別の表からデータを引きたいVLOOKUP・XLOOKUP・INDEX+MATCH
条件で表示を変えたいIF・IFS関数の組み立て
定型作業を自動化したいVBAマクロのコード
数式の意味が分からない既存の数式の解読・エラーの原因調べ
データの形を整えたい関数での文字列処理・日付変換

意外と便利なのが、太字にした「数式の解読」です。前任者が作った意味不明な数式を貼って「これは何をしていますか」と聞くだけで、日本語で説明が返ってきます。

基本の手順

  1. ChatGPTを開く(無料版で十分です
  2. やりたいことを、列の内容・条件・欲しい結果に分けて説明する
  3. 返ってきた数式やコードを、エクセルにコピーして試す
  4. エラーが出たら、エラーメッセージをそのまま貼って直してもらう
  5. 動いたら「この数式は何をしていますか」と聞いて、自分でも理解しておく

5番目を飛ばさないのがコツです。意味を分かっておくと、次に似た作業が来たとき自分で直せます。ChatGPTの使い方全般はChatGPTの始め方上手な聞き方のコツ5つにまとめています。

そのまま使えるプロンプトの型

毎回考えるのが面倒なので、穴埋めするだけの型を用意しました。これをコピーして、〇〇の部分を書き換えてください。

コピーして使う型
  • Excelで数式を作ってください。
  • 【表の形】A列に〇〇、B列に〇〇、C列に〇〇が入っています。1行目は見出しです。
  • 【やりたいこと】〇〇を〇〇して、〇〇に出したいです。
  • 【使っているExcel】Microsoft 365 / Excel 2019 など
  • 数式と、その意味の説明もお願いします。

「使っているExcelのバージョン」を書くのが地味に大事です。理由は後述しますが、新しい関数を提案されて「うちのExcelには無い」となる事故を防げます。

実践例①:条件をつけて集計する

いちばん出番が多いパターンです。関数名を知らなくても、こう伝えれば通じます。

A列に担当者名、B列に売上金額が入っています。担当者ごとの売上合計を出したいです。数式を教えてください。

すると=SUMIF(A:A,"山田",B:B)=SUMIFS(B:B,A:A,E2)のような数式が、仕組みの説明つきで返ってきます。列や条件を変えるだけで、別の集計にも応用できます。

条件を足したいときも同じ調子で大丈夫です。「さらに、C列の日付が今月のものだけに絞りたい」と追加で送れば、数式を組み直してくれます。会話の続きとして頼めるのが、検索にはない強みです。

実践例②:別の表からデータを引っぱる

「商品コードから商品名を持ってきたい」というやつです。VLOOKUPで挫折した人が多いところですね。

Sheet1のA列に商品コードがあります。Sheet2のA列に商品コード、B列に商品名の一覧があります。Sheet1のB列に商品名を自動で出したいです。Excel 2019を使っています。

ここでバージョンが効いてきます
  • XLOOKUPは便利ですが、Microsoft 365 と Excel 2021 以降でしか使えません
  • Excel 2019以前で使うと#NAME?エラーになります
  • バージョンを伝えておけば、VLOOKUPやINDEX+MATCHで答えてくれます
  • 会社と自宅でバージョンが違うこともあるので、そこも要注意です

実践例③:VBAマクロを作ってもらう

毎回手作業でやっている繰り返し作業も、説明するだけでコードにしてもらえます。

A列に並んでいる会社名のうち、重複しているセルだけ赤色に変えるVBAマクロを作ってください。マクロの登録手順も教えてください。

コードだけでなく、開発タブの出し方やVisual Basic Editorへの貼り付け方まで説明してくれることが多いので、マクロが初めてでも実行までたどり着けます。

ただし、ここには初心者がいちばんやりがちな事故があります。

マクロを試す前に必ず
  • マクロを実行すると、Ctrl+Zで元に戻せません。ここが数式と決定的に違うところです
  • 必ずファイルをコピーしてから、コピーのほうで試してください
  • マクロを保存するには.xlsm形式で保存する必要があります(通常の.xlsxだと消えます)
  • 意味の分からないコードは実行しない。「このコードは何をしますか」と一度聞くだけで防げます

実践例④:意味の分からない数式を解読してもらう

これが個人的にいちばん助かっている使い方です。

引き継いだファイルに、やたら長い数式が入っていることがあります。触るのが怖くて、そのまま使い続けている——よくある話です。

この数式が何をしているのか、日本語で説明してください。(数式を貼る)

これだけで、分解して説明してくれます。ついでに「もっと簡単に書けますか」と聞くと、短く書き直してくれることもあります。

エラーが出ている数式も同じです。#REF!#VALUE!をそのまま伝えれば、原因の候補を挙げてくれます。

エラーが出たときの早見表

数式を入れたらエラーが出た——ここで諦めてしまう人が多いのですが、エラー表示はそのままChatGPTに伝えれば直ります。何が起きているかだけ、ざっくり知っておきましょう。

表示よくある原因こう伝えると直ります
#NAME?関数名の打ち間違い、またはそのExcelに無い関数「Excel 2019でも使える関数に直してください」
#REF!参照していたセルや行が削除された「#REF!が出ます。原因を教えてください」
#VALUE!数値のはずの場所が文字列になっている「B列に文字が混ざっているかもしれません」
#N/AVLOOKUPなどで探した値が見つからない「見つからないときは空欄にしたいです」
#DIV/0!0で割り算をしている「0のときは空欄になるようにしてください」

いちばん多いのは#NAME?です。関数名を間違えたか、そのバージョンのExcelに存在しない関数を使っているかのどちらか。前述のXLOOKUPがまさにこれに当たります。

うまく使うコツ

伝え方が、返ってくる答えの質をほぼ決めます。効くポイントは4つでした。

  • 列の中身を具体的に言う:「A列に日付、B列に商品名、C列に売上金額」のように
  • 欲しい結果をはっきりさせる:合計なのか、件数なのか、色を変えるのか、シートを分けるのか
  • Excelのバージョンを言う:使えない関数を提案される事故が防げます
  • エラーは隠さずそのまま貼る:エラーメッセージは、直すための一番の手がかりです

逆に「いい感じにして」のような曖昧な頼み方だと、的外れな答えが返ってきます。相手はあなたの画面を見ていない——これを忘れないだけで、だいぶ変わります。

気をつけたいところ(正直な話)

便利ですが、万能ではありません。実際に使っていて引っかかった点を挙げます。

  • 平気で間違えます:もっともらしい数式が返ってきても、合っているとは限りません。必ず小さなデータで検算してください
  • 存在しない関数を作ることがあります:それらしい名前で堂々と出してくるので、#NAME?が出たらこれを疑ってください
  • 列がずれていても気づきません:こちらの説明が間違っていれば、間違ったまま作られます
  • 大きな表の処理は苦手:数万行のデータを貼って分析させるような使い方には向きません
  • 日本語版と英語版の関数名の違い:まれに英語の関数名で返ってくることがあります。そのときは「日本語版Excelの関数名で」と伝え直せば直ります

いちばん大事なのは最初の項目です。ChatGPTの答えは「たたき台」であって「正解」ではありません。合計が合っているかを目視で確かめる、その一手間だけは省かないでください。

Nくまの失敗談
  • 返ってきた数式をそのまま信じて、合計が微妙に合っていないことに後で気づいたことがあります
  • 原因は、こちらが「1行目は見出しです」と伝えていなかったから。ChatGPTのせいではありませんでした
  • それ以来、数行だけの小さな表で試してから本番に適用するようにしています

よくある質問

無料版でも使えますか?

使えます。この記事の内容は、すべて無料のChatGPTでできます。数式やVBAを作ってもらうくらいなら、有料版でなくても十分です。

ChatGPT以外でもできますか?

できます。GeminiでもClaudeでも、同じように頼めます。それぞれの違いはChatGPT・Gemini・Claudeの違いと使い方にまとめました。使い慣れているものでかまいません。

Excelを持っていないのですが

無料の表計算ソフトでも、基本的な関数は同じように使えます。LibreOffice(パソコンにインストール)か、Googleスプレッドシート(ブラウザで無料)があります。

ただしVBAマクロはExcel専用です。ChatGPTに頼むときは「LibreOfficeで使います」「Googleスプレッドシートで使います」と伝えてください。

CSVファイルが文字化けするのですが

それはExcel側の問題なので、ChatGPTでは解決しません。Cassava Editorという無料ソフトを使うと、ExcelでCSVが壊れる問題を回避できます。

結局、関数は覚えなくていいのですか?

覚えなくても作業は進みます。ただ「何をしている数式か」だけは分かっておいたほうがいいと思っています。中身を知らない数式は、壊れたときに直せません。

だから手順の5番目に「意味を説明してもらう」を入れています。作ってもらいながら、少しずつ覚える。これがいちばん楽な学び方でした。

まとめ:覚える道具ではなく、翻訳してもらう道具

ChatGPTは、エクセルを「覚える」ための道具ではありません。「やりたいことを伝えて、作ってもらう」道具です。関数名も構文も知らなくて大丈夫。言葉で説明できれば、それで足ります。

忘れないでほしいのは3つだけです。

  • 会社のデータは貼らない。構造だけ伝えれば全部できます
  • マクロはコピーしたファイルで試す。実行すると元に戻せません
  • 答えは検算する。もっともらしくても間違っていることがあります

まずは、いま手作業でやっている集計をひとつ選んでみてください。「A列に〇〇、B列に〇〇が入っていて、△△を出したい」——この一文から始まります。

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