「Notepad++の更新が乗っ取られていた」というニュースを見て、ドキッとした方もいると思います。私もNotepad++をよく使っているので、まず自分のパソコンを確かめてみました。
結論から言うと、いまは対策が済んでいて、最新版を使っていれば心配しすぎる必要はありません。ただし、古い版のまま使っている人と、去年「証明書を入れて」という案内に従った人は、確認しておいたほうが安心です。
先に結論:あなたがやること
| あなたの状況 | やること |
|---|---|
| 最新版(v8.9.8.1)を使っている | 何もしなくて大丈夫 |
| v8.9.8.1より前の版を使っている | 最新版に更新する |
| とても古い版(v8.8.9より前)を使っている | 公式サイトから手動で入れ直す |
| 去年「Notepad++の証明書」をパソコンに入れた覚えがある | その証明書を削除する |
最新版はv8.9.8.1(2026年9月24日公開)です。8月のv8.9.8で14件、9月のv8.9.8.1でさらに5件の弱点が直されています。事件と関係なく、更新しておく価値があります。
何が起きたのか
作者のドン・ホーさんが2026年2月2日に公表した内容を、やさしく言い直すと次のとおりです。
- Notepad++の公式サイトを置いていたレンタルサーバーの会社側が、何者かに入り込まれていた
- そのせいで、Notepad++の「更新」を使った一部の人にだけ、偽の更新ファイルが渡るようにされていた
- 期間は2025年6月ごろから12月2日まで
- Notepad++のプログラムそのものに仕掛けがされたわけではない。ただし古い版は、届いた更新ファイルが本物かどうかの確認が甘かった
作者の発表では、狙われたのは特定の一部の利用者で、全員に偽物が配られたわけではありません。公式サイトはその後、別のサーバー会社に引っ越しています。
いまはどう対策されているか
| 時期 | 版 | 何が変わったか |
|---|---|---|
| 2025年10月 | v8.8.7 | 正式な認証局(GlobalSign)の電子署名がつくようになった |
| 2025年12月 | v8.8.9 | 更新ファイルの署名を確かめて、おかしければ更新を中止するようになった |
| 2025年12月 | v8.9 | 仮の証明書(自己署名)をやめた。更新でエラーが出たら記録を残すようになった |
| 2026年2月 | v8.9.2 | 更新の案内そのものにも署名をつけ、二重に確かめる仕組みにした |
| 2026年8月 | v8.9.8 | 14件の弱点をまとめて修正 |
| 2026年9月 | v8.9.8.1 | さらに5件の弱点を修正(いまの最新版) |
作者は、v8.9.2の「二重のチェック」で今回の手口は完全にふさがれたと説明しています。つまり、新しい版を使っていれば、同じ手口で偽物をつかまされる心配はありません。
確認① いまの版を見る
- Notepad++を開く
- メニューのいちばん右にある[?]をクリック
- [Notepad++について]を選ぶ
出てきた画面に版の番号が書いてあります。v8.9.8.1なら最新です。
私のパソコンで確かめたら、v8.9.7でした。この記事を書いている間にも新しい版が出て、2つ前になっていました。毎日使っていても、更新はつい後回しになりますね。
確認② 最新版にする
いまの版によって、更新のしかたが変わります。
| いまの版 | 更新のしかた |
|---|---|
| v8.9.2以降 | [?]→[Notepad++をアップデート]でOK(二重チェックつき) |
| v8.9.2より前 | 公式サイトからインストーラーを入れ直すのが確実 |
古い版の「更新」機能は、それ自体の確認が甘かったので、古い版ほど手動で入れ直すほうが安全です。作者も、手動でのインストールをすすめていました。
ダウンロードしたファイルが本物か確かめる
念のため、インストールする前に電子署名を見ておくと安心です。
- ダウンロードしたインストーラーを右クリック →[プロパティ]
- [デジタル署名]タブを開く
- 署名者名が「NOTEPAD++」になっているかを見る
私のパソコンに入っているNotepad++も、署名者は「NOTEPAD++」、発行元は「GlobalSign」の正式な署名で、Windowsの判定も「問題なし」でした。[デジタル署名]タブ自体が無いときは、そのファイルは使わずに削除してください。
確認③ 証明書を入れた覚えがある人だけ
2025年の夏から秋にかけて、Notepad++は正式な電子署名を一時的に失っていました。その間、ウイルス対策ソフトに怪しまれないよう、「Notepad++のルート証明書をパソコンに入れてください」という案内が出ていました。
いまは正式な署名に戻ったので、この証明書は必要ありません。作者も「入れた人は削除することを強くすすめる」と呼びかけています。
入れた覚えがなければ、ここは飛ばして大丈夫です。私のパソコンにも入っていませんでした。
削除のしかた
- キーボードでWindowsキー+Rを押し、
certlm.mscと入力してEnter(「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と出たら[はい]) - 左側で[信頼されたルート証明機関]→[証明書]を開く
- 一覧の中から「Notepad++ Root Certificate」を探す
- 見つかったら、それを右クリックして[削除]
ほかの証明書は絶対に消さないでください。Windowsやほかのソフトが正しく動かなくなることがあります。消すのは「Notepad++ Root Certificate」の1つだけです。見つからなければ、何もしなくて大丈夫です。
更新がエラーで止まったとき
いまのNotepad++は、更新ファイルの署名がおかしいと、更新を途中で止めます。止まったときは、次の場所に記録が残ります。
%LOCALAPPDATA%\Notepad++\log\securityError.log
ファイルの中身が分からなくても大丈夫です。止まったということは、守りがきちんと働いたということです。その場合は更新機能を使わず、公式サイトからインストーラーを入れ直してください。
よくある質問
Q. 別のエディタに乗り換えたほうがいいですか?
その必要はないと思います。今回の問題はサーバー会社側から入り込まれたもので、そのあと仕組みが強化されています。最新版に更新して使い続けるのが、いちばん手軽で確実です。
Q. 自分のパソコンに偽物が入ったかどうか、分かりますか?
一般の人が自分で見分けるのはむずかしいです。狙われたのはごく一部の利用者と発表されています。気になる場合は、最新版を公式サイトから入れ直したうえで、ウイルス対策ソフトでパソコン全体を検査しておくと安心です。会社のパソコンなら、社内のパソコン担当の方に相談してください。
Q. 自動の更新は使っても大丈夫ですか?
v8.9.2以降なら、更新の案内とファイルの両方を確かめる仕組みになっています。新しい版になってからは、ふつうに使って大丈夫です。
まとめ
これから入れる方、表示が英語になってしまった方はNotepad++の日本語化と初期設定をどうぞ。


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