「給料が増えたのに、満足感はあまり変わらない」「同僚と比べて自分のお金の使い方は正しいんだろうか…」――そんなモヤモヤを感じたことはありませんか?
わたしも以前、新しいガジェットや時短家電を次々に買ってみたものの、買った直後の高揚感はすぐ消えてしまい、なんだか虚しい気持ちになることがありました。「お金の使い方って、正解があるんだろうか?」と気になっていたタイミングで出会ったのが、本書『アート・オブ・スペンディング・マネー』です。
結論から言うと、本書のメッセージはシンプルで強力です。「お金の使い方に正解はない。だから他人と比べる必要もない」――この一言を裏付けるエピソードと考察が、これでもかと詰め込まれた一冊でした。
この記事では、Nくまが実際に読んで感じたこと、生活に取り入れた変化、そして「こんな人に刺さりそう」という率直な所感をお伝えします。
本書のコアメッセージ:お金の使い方は「アート」である
本書のタイトル「Art of Spending Money(お金を使うアート)」に込められているのは、こんな主張です。
お金の使い方は科学(Science)ではなく芸術(Art)だ。「正しい使い方」を求めようとすると失敗する。大切なのは、自分にとっての「意味」を見出すこと。
正直、最初は「ふんわりした主張だな」と感じました。でも読み進めるうちに、この「アート」という言葉の意味がじわじわとわかってきます。
料理人が「これが最高の塩加減」と感じる味は、人によって違いますよね。同じように、お金の使い方も、自分の人生観・価値観に合っていれば、それが正解。他人がどう使っていようと、自分のアートを描けばいい――そんなメッセージです。
心に響いた3つのメッセージ
① 他人のお金の使い方を批判しない
「あの人、また高い時計買ってる」「あんな安い服しか着ないなんて」――他人のお金の使い方を批判してしまうこと、ありますよね。
でも本書が指摘するのは、「他人にとっての価値は、自分には絶対にわからない」ということ。その人にとって高級時計は「父親の形見と同じブランド」で代えがたい価値があるかもしれないし、安い服を選ぶのは「他に大切なことにお金を回したい」からかもしれない。
これを読んでから、わたしは他人の買い物に対する判断を保留するクセがつきました。批判するエネルギーを使わなくて済むので、自分も少しラクになります。
② 「自分軸」でお金を使う
SNSでインフルエンサーが紹介していたから買う、職場でみんなが持っているから買う――これは「他人軸」の使い方。本書は徹底的に、これに警鐘を鳴らします。
正解は「自分が本当に欲しいから買う」「自分の生活が良くなるから買う」という自分軸の判断。シンプルですが、SNSの時代にこの軸を持ち続けるのは、思ったより難しいです。
③ ヨットレースの話 ― 印象に残った象徴的エピソード
本書で一番印象的だったのは、ヨットレースのエピソードです。
あるヨットレースで、優勝のために高価な装備にお金を投じる選手と、装備よりも「楽しむこと」を優先する選手の話が出てきます。世間的に「成功」しているのは前者でも、後者のほうが圧倒的に幸せそうだった、と。
これを読んで「勝つためのお金」と「楽しむためのお金」は別物だと気づきました。自分はどっちにお金を使いたいんだろう? 答えは間違いなく後者です。
読後にNくまが変えた3つのお金の使い方
変化① 「インフルエンサー買い」をやめた
YouTubeで「これ便利!」と紹介されているのを見てポチるクセがあったのですが、これをやめました。代わりに「1週間寝かせて、それでも欲しいか?」と自問する習慣に。8割は1週間後にはどうでもよくなっています。
変化② 「年に数回の体験」にお金を回す
モノよりも、体験への投資を増やしました。月に1回は新しいカフェに行く、年に2回は旅行に行くなど。モノは慣れて飽きるけど、体験は記憶として残り続ける。これはお金の使い方として「アート」を感じる瞬間です。
変化③ 「他人と比べない」と紙に書いて貼った
恥ずかしいのですが、デスクの隅に「他人と比べない」と書いた小さなメモを貼っています。お金を使うときに目に入ると、不要なものを買わなくなりました。
こんな人に刺さる本/刺さらない本
🟢 刺さる人
- 給料は増えたのに満足感が増えない人
- SNSで他人の買い物が気になりがちな人
- 「お金の正解」を探し疲れた人
- 節約一辺倒の本に飽きた人
- 『サイコロジー・オブ・マネー』が好きだった人(同じく考え方系)
🔴 刺さらないかもしれない人
- 具体的な節約術・投資ノウハウを求めている人(本書はマインドの本)
- 「お金は科学的に増やすもの」と考える人
- 「結局どう使えばいいか教えて」と答えを求める人
本書の弱点・気をつけたいところ
- 「答え」を提示しない:「自分で考えよ」というスタンスなので、答えを求める人には物足りない
- 具体的なノウハウは少ない:マインドセットの本なので、即効性のあるテクニックは期待できない
- 欧米の事例が中心:日本の事情とは少し違う部分もある
逆に、「お金との向き合い方そのものを変えたい」人にはこれ以上ない一冊だと思います。
まとめ:お金の使い方は「自分で決めていい」
本書を読んで一番大きかった気づきは、「お金の使い方に正解はない、だから自分で決めていい」ということです。
SNSで他人の華やかな生活を見ると、つい「自分もああすべき」と思いがち。でも本当に自分が幸せになるお金の使い方は、自分にしかわかりません。料理にレシピがないように、お金の使い方にもレシピはない――そう思える本でした。
「お金の使い方にモヤモヤしている人」「節約本やノウハウ本に疲れた人」に、ぜひ読んでほしい一冊です。
📚 読書時間を確保したい方は、読書習慣の作り方と継続のコツもどうぞ。オーディオブックでも本書のメッセージは染み込みやすいです。


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