「今年こそ本を読もう」と思って買った本が、机の上で山になっていませんか。
わたしもそうでした。読みたい気持ちはあるのに、平日は帰ってきたらもうくたくた。休日はやることが多くて、気づけば1ページも開かないまま次の週になっている——。
でも、あるとき気づいたんです。問題は「時間がない」ことではなく、「まとまった時間」を待っていたことでした。
1時間の空きができるのを待っていると、その1時間は永遠に来ません。かわりに10分・15分の細切れを拾い集めるようにしたら、読める量がはっきり増えました。この記事では、その具体的なやり方を5つ紹介します。
大前提:「まとまった時間」を待つのをやめる
本が読めない人の多くは、「読書=机に向かって集中してするもの」だと思っています。わたしもそうでした。だから「今日は疲れているから明日にしよう」となって、その明日が来ない。
でも実際のところ、1日15分でも、1年続ければ90時間以上になります。ビジネス書なら1冊3〜4時間で読めるものが多いので、15分の積み重ねだけで年に20冊以上という計算です。
大事なのは、気合いではなく「読む場所と時間を先に決めておく」こと。ここから紹介する5つは、そのための具体的な置き場所です。
方法① 朝の15分を、いちばん先に使う
いちばん確実なのは朝です。理由は単純で、朝はまだ誰にも邪魔されないから。
夜の時間は、残業・急な連絡・疲れ・スマホと、いくらでも奪われます。一方で朝の15分は、よほどのことがない限り誰も取りに来ません。
方法② 通勤時間を「読書室」にしてしまう
往復1時間の通勤があるなら、それだけで月に20時間です。ここを読書に回せると、正直いちばん効きます。
電車なら本やスマホで読めますが、車通勤の方は「読む」ことができません。わたしもそうでした。ここで効いてくるのが後半で紹介する「聴く読書」です。
ポイントは「乗ったら開く」を機械的にすること。座れたらスマホでSNS、ではなく、座れたら本。最初の3日だけ意識すれば、あとは習慣が勝手にやってくれます。
方法③ 昼休みの「最後の10分」を使う
昼休みは、食べ終わったあとに手持ち無沙汰な時間が意外とあります。そこでスマホを眺めて終わることが多いのですが、ここを読書にあてると1日10分が積み上がります。
おすすめは「最後の10分」に置くこと。「食べ終わったら」だと開始時刻が曖昧ですが、「休憩終わりの10分前から」なら毎日同じタイミングで始められます。
ここで読むのは、途中で切っても平気な本がいいです。小説だと続きが気になって仕事に戻れなくなります(経験談です)。
方法④ 「持ち歩く」を仕組みにする
読めない理由でいちばん多いのが、「その場に本がなかった」です。5分空いたのに、本は家の机の上。これではどうにもなりません。
方法⑤ 「読む」をやめて「聴く」に変える
ここまでの4つは「読む時間を見つける」方法でした。最後の5つ目だけは考え方が違います。読むのをやめて、耳で聴いてしまう——これがいちばん効きました。
目で読む読書は、どうしても「座って、本を開いて、集中する」時間が必要です。ところが耳で聴く読書は、手と目が空いていなくても成立します。車の運転中でも、洗い物をしながらでも読書ができてしまう。
ただし、いきなり有料サービスに申し込む必要はありません。まずお金をかけずに試す方法から順に紹介します。合わない人もいるので、そこも正直に書きますね。
「聴く読書」は何がいいのか
いちばんの利点は、読書のために新しく時間を作らなくていいことです。
目で読む読書は、どうしても「座って、本を開いて、集中する」という時間が必要になります。ところが耳で聴く読書は、手と目が空いていなくても成立します。
ちなみにわたしは音声配信もしているのですが、「耳で受け取るコンテンツ」は思っている以上に頭に残ります。話し方の間や声のトーンがつくので、文字だけよりも記憶に引っかかりやすいのだと思います。
0円で試す① スマホの読み上げ機能
意外と知られていないのですが、iPhoneにもAndroidにも「画面の文字を読み上げる機能」が最初から入っています。追加のアプリも料金も不要です。
Kindleで買った本、ブラウザで開いた記事、PDFなど、画面に表示できる文字なら、たいてい読んでくれます。
iPhoneの場合
- 設定アプリを開きます
- 「アクセシビリティ」→「リーダーと読み上げ」と進みます
- 「画面の読み上げ」をオンにします
- 読ませたい画面で、2本の指で画面の上端から下にスワイプすると読み上げが始まります
- 操作が面倒なら、Siriに「画面を読み上げて」と話しかけるだけでもOKです
※ iOSのバージョンによって「リーダーと読み上げ」が「読み上げコンテンツ」という名前になっていることがあります。どちらも同じ場所です。
Androidの場合
- 設定アプリを開きます
- 「ユーザー補助」→「選択して読み上げ」と進みます
- ショートカットをオンにします
- 読ませたい画面でショートカット(2本の指で下から上にスワイプ)を実行し、読みたい部分をタップまたはなぞります
0円で試す② 自治体の電子図書館
意外な穴場がお住まいの市町村の「電子図書館」です。図書館のカードがあれば、スマホから電子書籍を借りられるサービスを導入している自治体が増えています。
ここで大事なのは、電子書籍として借りた本は、方法①のスマホの読み上げ機能で聴ける場合があるということ。つまり本代も月額もゼロで「聴く読書」が成立します。
さらに、もともと音声で聴ける「オーディオブック」を貸し出している電子図書館もあります。「(お住まいの市町村名)電子図書館」で検索してみてください。
0円で試す③ 青空文庫
著作権が切れた作品を無料で公開している「青空文庫」も、聴く読書の練習にちょうどいい入り口です。
夏目漱石、芥川龍之介、太宰治といった名作が、1円もかからずに読めます(聴けます)。ブラウザで開いて、方法①の読み上げ機能を使うだけ。
ビジネス書のような「新しい知識」は手に入りませんが、「耳で物語を追う感覚」に慣れるにはうってつけです。短編なら15分ほどで一本聴き終わるので、通勤1回分でちょうど収まります。
無料で試したうえで、有料サービスを考える
ここまでの3つを試してみて、「耳で聴くの、意外といいな」と感じたなら、有料のオーディオブックサービスを検討する価値があります。
有料サービスの価値は、ひとことで言うと「プロが読んでくれること」です。機械音声とは、聴き心地がまったく違います。長時間聴いても疲れません。それと、新しいビジネス書や話題の本が揃っているのも大きな違いです。
Audibleとaudiobook.jp、どちらを選ぶ?
日本で選択肢になるのは、おもにこの2つです。どちらも無料体験があるので、まず試してから決められます。
| Audible(アマゾン) | audiobook.jp | |
|---|---|---|
| 月額 | 1,500円 | 1,330円(年割なら833円) |
| 無料体験 | 30日間 | 14日間 |
| 作品数 | 数十万以上(洋書も豊富) | 日本語作品に強い |
| 向いている人 | 幅広く聴きたい/まず長めに試したい | 安く抑えたい/日本のビジネス書中心 |
迷ったら、無料体験の期間が長いAudibleから試すのがおすすめです。30日あれば、自分が続けられるかどうかは十分わかります。合わなければ、期間内に解約すれば料金はかかりません。
わたしが実際に使ってみた感想はAudible体験談:オーディオブックで広がる新しい読書の世界にまとめています。よかったところも、いまひとつだったところも書いているので、あわせてどうぞ。
📚 本をもっと気軽に読みたい方へ
▶ Audible(オーディブル)の無料体験を見てみる![]()
移動中や家事の合間に「耳で読む」。30日間無料、そのあとは月額1,500円です。
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対象の電子書籍が読み放題。まずは無料体験から。
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30日間無料。Prime Readingで対象の本も読めます。
※無料体験の内容・料金は変わることがあります。申し込み前に各サービスのページでご確認ください。また、紹介した本が対象に含まれているとは限りません。
正直な話:「聴く読書」に向かない本があります
ここを間違えると「やっぱり自分には合わない」と投げ出してしまうので、先にお伝えします。
| 向いている本 | 向いていない本 |
|---|---|
| 物語・小説・エッセイ | 図や表が多い本(見ないと意味が通じない) |
| 著者の考えを語る本 | 手順書・マニュアル(戻って確認したくなる) |
| 歴史・伝記 | 数式・コードが出てくる本 |
| 自己啓発・習慣づくり | じっくり考えながら読みたい本 |
ざっくり言うと、「人の話を聞くように読める本」は向いていて、「行ったり来たりしたい本」は向いていません。
わたしの失敗談をひとつ。技術書を耳で聴こうとして、まったく頭に入らず挫折したことがあります。図を見ないと分からない本を音だけで追うのは、そもそも無理があったんですね。最初の1冊は、読みやすいエッセイか自己啓発書を選んでください。
続けるための5つのコツ
それと、聴いた内容を残したい方は読んだら忘れない読書の方法もあわせてどうぞ。アウトプットをセットにすると、耳から入れた内容の定着がまるで違います。
よくある質問
Q. 聴くだけで、ちゃんと頭に入りますか?
正直に言うと、目で読むよりは落ちます。とくに「ながら聴き」だと、集中して読むのにはかないません。
ただ、比べる相手が違うと思うんです。比べるべきは「読まなかった場合」。運転中や洗い物の最中は、どのみち本は読めません。0冊が20冊になるなら、7割の理解でも十分すぎるというのがわたしの考えです。
Q. 無料体験だけで解約しても大丈夫ですか?
問題ありません。期間内に解約すれば料金はかかりませんし、それを前提にしたサービスです。
ただ「解約を忘れる」のがいちばんよくある失敗なので、申し込んだその日に、終了日の2日前あたりにスマホのカレンダーで通知を設定しておいてください。これだけで事故は防げます。
Q. 車の運転中に聴いても大丈夫ですか?
ラジオや音楽と同じで、音声を聴くこと自体は違反ではありません。ただし運転中にスマホを操作するのは違反です。
再生・停止・巻き戻しは、必ず停車してから操作してください。話に夢中になって運転が疎かになりそうなときは、迷わず止めましょう。安全がいちばんです。
Q. 結局、5つのうちどれから始めればいいですか?
通勤時間がある方は、方法⑤(聴く読書)からで間違いありません。いちばん時間の量が大きいからです。
在宅勤務などで通勤がない方は、方法①(朝の15分)がおすすめです。どちらにしても、5つ全部をやろうとしないこと。1つ決めて2週間続けるほうが、ずっとうまくいきます。
まとめ|時間は「作る」より「置き換える」
読書時間は、どこかから湧いてくるものではありません。すでにある時間を、読書に置き換えるだけです。
朝のぼんやりした15分、通勤のBGM、昼休みのスマホ、洗い物の時間。そこはもともと「空いていた時間」ではなく、別のことに使っていた時間なんですよね。そう考えると、意外と余地があることに気づきます。
読書を続ける工夫そのものについては読書習慣の形成方法と継続のコツで、もう少し掘り下げています。あわせてどうぞ。
それではまた🐧

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